FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

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Metadata

Highlights

この本にあるデータはあなたを癒してくれる。この本から学べることは、あなたの心を穏やかにしてくれる。世界はあなたが思うほどドラマチックではないからだ。 — location: 277


する「ファクトフルネス」という習慣を毎日の生活に取り入れてほしい。 — location: 279


乳幼児死亡率は、社会全体の体温を計ってくれる巨大な体温計みたいなものだ。子供はか弱い。だから、命を落とす原因なんていくらでもある。 — location: 319


この 14 という数字を見るだけでも、マレーシアのほとんどの家庭には十分な食料があり、水道水に下水が混ざることもなく、誰もが基本的な医療を受けることができ、母親も読み書きができることがわかる。乳幼児死亡率からは、子供の健康状態だけでなく、社会全体の健康状態もわかるんだ」 — location: 322


14、 35、 55、171。それぞれの国で数字はかなり違う。ということは、人々の生活もまったく違うんじゃないかな」 — location: 326


242。学生たちが、大きな数字を小さな声でささやいた。 — location: 329


1年前の授業でもまったく同じ話をしたのだが、その時はプリントを持ってこなかった。そのせいで、誰もわたしの話を信じてくれなかった。 — location: 334


それぞれが頭の中でイメージしていた世界と、データが示す世界の違いに、みんな驚いているようだった。 — location: 337


乳幼児死亡率が上がった国はない。世界は基本的に良くなっているからね。 — location: 339


わたしたちはみな、ドラマチックな 10 種類の本能を持っている。 — location: 341


分断本能」 — location: 342


人は誰しも、さまざまな物事や人々を2つのグループに分けないと気がすまないものだ。 — location: 342


その2つのグループのあいだには、決して埋まることのない溝があるはずだと思い込む。これが分断本能だ。 — location: 343


世界の国々や人々が「金持ちグループ」と「貧乏グループ」に分断されているという思い込みも、分断本能のなせるわざだ。 — location: 344


さながら人前に姿を現さない魔物のようだ。 — location: 345


金持ち」対「貧乏」という、世界を間違った枠組みで分けてしまうと、頭の中にある世界のイメージが隅々まで歪められてしまうからだ。 — location: 349


あの人たちはいつまで経っても、わたしたちのような暮らしをすることはないと思います」。 — location: 356


こういった「分断を強調する意見」は何度も耳にしてきた。 — location: 358


メキシコは「西洋諸国」だから、わたしたちのような暮らしができるのだろうか? — location: 369


その他の国々」だから無理なのだろう — location: 370


か? — location: 370


うーん、わからなくなってきたぞ。『あの人たち』と『わたしたち』から話が始まって、それが『西洋諸国』と『その他の国々』になった。でも、もっと詳しく説明してくれないか。『西洋諸国』や『その他の国々』という呼び方は何度も聞いたけど、厳密に何を指しているのかわからないんだ」 — location: 370


きちんと世界の分け方を定義するあたり、なかなか賢いやり方だ。 — location: 378


先ほどの彼女の定義がすばらしかったのは、それが正しいかどうか、データを用いて白黒はっきりさせられるからだ。 — location: 383


あの人たち」と「わたしたち」という言葉が飛び出した。 — location: 393


途上国」や「先進国」といった表現もある。 — location: 393


ジャーナリスト、政治家、活動家、教師、研究者たちが頻繁に使う言い回しだし、何ら問題はないように思える。 — location: 394


その言葉が「あの人たち」と「わたしたち」というイメージを植え付け、現実に根ざした意味を持っている限り、どんな言葉を使うかはさして重要ではない。 — location: 397


あの人たち」と「わたしたち」、または「西洋諸国」と「その他の国々」が、このチャートに見事に当てはまる。 — location: 404


ほとんどの国々が、「途上国」と「先進国」どちらかの枠に収まっているのがおわかりだろうか。 — location: 408


2つの枠のあいだには明らかな分断があり、そのすき間にはキューバ、アイルランド、シンガポールを含む小国 15 カ国のみ、つまり世界人口の2%しかない。 — location: 409


「途上国」の枠内には、インドと中国を含む125カ国がある。これらの国の女性は子供を平均5人以上産み、命を落とす子供も多い。乳幼児の生存率は最も高い国でも 95%に満たない。このグループで最も進んだ国でも、5%以上の子供が5歳の誕生日を迎えるまでに亡くなってしまう。 — location: 410


先進国」の枠内にあるのは、アメリカとヨーロッパのほとんどの国を含む 44 カ国。こちらの国の女性ひとりあたりの子供の数は3・5人以下で、乳幼児の生存率は最も低い国でも 90%を超える。 — location: 413


世界は2つの枠で分けることができ、その合間には分断がある。まさに、クラスで3列目に座っていた学生が指摘した通り。このチャートが動かぬ証拠だ。 — location: 415


どうして「途上国」と「先進国」という分け方は間違っているのか? どうして「あの人たち」や「わたしたち」という言葉を使った学生に、わたしは突っかかったのか? — location: 417


なぜなら、先ほどのチャートは1965年の世界を表しているからだ。 — location: 419


1965年の地図を載せたカーナビを使いたいと思うだろうか? — location: 420


1965年時点で最新だった医療研究をもとに、治療をしようとする医者に診てもらいたいだろうか? — location: 421


正しく現在の世界を表しているのは、次のチャートだ。 — location: 422


世界の姿は一変している。少人数の家族が当たり前になり、インドや中国を含むほとんどの国で、命を落とす子供の数は激減した。左下の枠に属する国はほとんどいない。 — location: 424


ほとんどの国は、「出生率は低く、生存率は高い」ことを示す右上の小さな枠に向かう途中か、すでに到達済みだ。 — location: 425


世界の全人口の 85%は、以前「先進国」と名付けられた枠の中に入っており、残りの 15%のほとんどは2つの枠のあいだにいる。いまだに「途上国」と名付けられた枠内にいるのは、全人口の6%、たった 13 カ国だけだ。 — location: 426


これだけ世界が変わってきたのに、少なくとも「西洋諸国」においては、世界の見方は変わっていない。わたしたちの頭の中にある「その他の国々」のイメージは、とっくの昔に時代遅れになっている。  変わったのは家族の人数や乳幼児生存率だけではない。 — location: 429


世界のほとんどの人は中間にいる。「西洋諸国」と「その他の国々」、「先進国」と「途上国」、「豊かな国」と「貧しい国」のあいだにあった分断はもはや存在しない。だから、ありもしない分断を強調するのはやめるべきだ。 — location: 433