目の見えない人は世界をどう見ているのか

Metadata
- Author: 伊藤 亜紗
- ASIN: B00WS9X08K
- Reference: https://www.amazon.com/dp/B00WS9X08K
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Highlights
本書はいわゆる福祉関係の問題を扱った書物ではなく、あくまで身体論であり、見える人と見えない人の違いを丁寧に確認しようとするものです。 — location: 30
美学とは、芸術や感性的な認識について哲学的に探求する学問です。もっと平たくいえば、言葉にしにくいものを言葉で解明していこう、という学問です。 — location: 164
のは、ハンディキャップのある人とそうでない人の情報量の差、すなわち情報格差をなくすことが社会的包摂には必要だ、という考えです。こうした考えのもと、アクセシビリティを高めるためのさまざまな福祉的活動がなされています。 もちろん、こうした「情報のための福祉」は障害者にとって不可欠で、これまでたくさんの試みがなされてきました。しかし、まだまだ不足している部分が残っていることは否めず、これについては社会をあげて補っていかなくてはなりません。 — location: 289
情報ベースでつきあう限り、見えない人は見える人に対して、どうしたって劣位に立たされてしまいます。そこに生まれるのは、健常者が障害者に教え、助けるというサポートの関係です。福祉的な態度とは、「サポートしなければいけない」という緊張感であり、それがまさに見える人と見えない人の関係を「しばる」のです。 もちろんサポート — location: 319
分かるようになったので、初めての部屋に入ってもとまどうことはありません。内装がどうなっているか、その全体を一瞬で把握することができるようになったからです。つまり「空間とは何か」が分かるようになったのです。それは「魅力的でうっとりする」感覚だっ — location: 556
先天的に見えない人の場合、こうした表/裏にヒエラルキーをつける感覚がありません。 — location: 681
まず「見えない人=点字」の方程式について。少し古いデータですが、二〇〇六年に厚生労働省が行った調査によれば、日本の視覚障害者の点字識字率は、一二・六パーセント。つまり、見えない人の中で点字が読める人はわずか一割程度しかいないのです。 — location: 804
ます。「サピエ」というインターネット図書館を利用すれば、月刊誌や週刊誌もほぼ時差なく読むことができますし、データをボイスレコーダーにダウンロードして持ち歩けば、通勤通学の途中でも読書することが可能。全国のボランティアの尽力のたまものです。こうなると、点字ができる人であっても、「日々の生活で使うのは整理整頓用のラベルくらい」というのが実際のところなのかもしれません。 — location: 817
エンボス — location: 834
ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)」 — location: 1110
ブラインドサーフィン」 — location: 1230
水戸芸術館の現代美術センターが年に一、二回のペースで開催している「セッション!」という企画でした。「 — location: 1488
ギャラリーTOM」 — location: 1526
エイブル・アート・ジャパン」( — location: 1566
情報化の時代にわざわざ集まってみんなで鑑賞する面白さは、見えないもの、つまり「意味」の部分を共有することにあります。 — location: 1589
フロイトは、ユーモアの秘密は視点の移動にあると言います。現実が、自分を苦しめようとしている。けれどもそんな状況をものともせず、超越した視点に立って「世の中そんなものさ」とユーモアは笑いとばすのです。ユーモアは、苦痛を強制されるような状況にあっても自己を守るための一つの防衛方法だとフロイトは言います。 — location: 1960
ところが、見えない人がテキストを読むときは、たいていは音声読み上げソフトを使います。すると、音声読み上げソフトの種類によっては、「障がい者」という表記が認識できないらしい。「さわるがいしゃ」という読みになってしまうそうです。 — location: 1993
そして約三十年を経て二〇一一年に公布・施行された我が国の改正障害者基本法では、障害者はこう定義されています。「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」。つまり、社会の側にある壁によって日常生活や社会生活上の不自由さを強いられることが、障害者の定義に盛り込まれるようになったのです。 — location: 2066