わたしは分断を許さない

Metadata
- Author: 堀 潤
- ASIN: B085ZF46FD
- Reference: https://www.amazon.com/dp/B085ZF46FD
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Highlights
どうしたら、人々の関心を引き寄せられるのだろうか。企画を持ち帰り、あらためて自分のこれまでの取材を振り返っている時にある気づきがあった。それは「分断は世界中で深まっている」ということだった。アメリカでのトランプ大統領の誕生。国民投票によるイギリスのEU離脱。欧州各地で高まる移民排斥。シリア内戦をはじめとしたアラブの春以降の混乱。朝鮮半島や香港は、まさにリアルタイムで揺れ動く分断の現場だった。 — location: 141
「僕を評価するのは何部か知っていますか?」 「人事部では、ないということでしょうか」 「資材部です」 「資材部?」 「どのくらいの工具が必要か、材料が必要かを管理する資材部です。今日は何人派遣が必要か。明日は何人いらないか。僕らはとんかちやネジと同じです。会社にとってみたら人間ではないんです」 — location: 250
僕はこの取材を受けた後、家に帰って布団の中で携帯電話で明日の仕事を探すんです。わかりますか? この気持ちを。夢を語ることができると思いますか?」 返す言葉がなかった。 — location: 279
加藤を犯行に追い込んだのは、誰だったのか。それはおそらく、私、私の中にある無自覚さだったように思う。悪意はなかった。そんなつもりもなかった。私はあちらとこちらを隔てる装置の一つだった。 — location: 290
大きな主語ではなく、小さな主語を使うべきだと明確に思うようになったのは。 「福島県には今も多くの苦しんでいる人がいる」ではない。「福島県楢葉町のJR竜田駅前で商店を営んでいた木村さんは、今も元の場所で営業が再開できるかわからず、避難先で考え込んでしまうことがあるという」。どんなことがあっても一人ひとりの固有名詞で伝えるべきだと痛感した。 — location: 314
坂の上の雲』 — location: 367
海亀」 — location: 419
その政党がこれまでどんなことをしてきたのかという知識はない。そこを補完する仕組みは教育の中に必要ではないかという気がしますね。 少し抽象的に言うと、市民をどのように育てるのかという構想です。〝citizen〟をどうやって育てるのか、公共性を持った市民をどのように育てるのかということを、我々は昭和時代から考えてこなかったし、そのための装置を社会の中に埋め込むということを怠ってきた。もちろんこれはとても慎重にやらなければいけません。 — location: 447
自分の一票が政治を変えると思うかどうかという主観を問う「政治的有効性感覚」という概念があります。この政治的有効性感覚を他の国と比べた時に、我々の国は低いことが知られています。 — location: 469
ネットメディアは独自の速報体制をほとんど構築できていませんので、マスメディアにおける発表報道以上に、2次情報とオピニオン中心になりがちです。 — location: 499
今は共通項が自明ではなくなっている。だから何かについて考える時には、共通点はなんなのか、同じ単語や概念を持っていても、本当に意味を共有しているのかいちいち確認する必要が生じている。 — location: 524
現地メディアによると、デモ参加者の 36・7%がPTSD(心的外傷後ストレス障害)だという。 — location: 740
伊勢﨑賢治 — location: 770
ご存知の通り、私たちの国はインターネットでの情報発信や受信に制限がかけられています。しかし、VPNを使えば外部のインターネットにアクセスすることは可能です。もちろん、海外のニュースを手に入れることもできます。しかし、そもそも関心が薄い。だからアクセスできても、わざわざ政治のニュースを自分で調べようとはしないのが今の現状です。だから、香港の若者たちが声を上げるというのはよっぽどのことなのでしょう。 — location: 962
でもない」というのが日常的に、家族でも友達との間でもある。 対して日本は「和」を大切にするので、多様な意見というものがあまりないじゃないですか。丸くおさまるというか。それは良いことなのかもしれない。でも違うものが出てきた時の対処、対応の仕方に慣れていない。だから人によっては、「こんなの違うよ、知らない」とか、「良くない」とか「どうしていいかわからない」となってしまうのかもしれない。建設的に反対するとか批判するということに慣れていないのかもしれない。 — location: 1187
絵葉書と同じ構図でセルフィーを撮ったり、旧所名跡の前でウィキペディアを引くように、あらかじめ見たかったものを見て、確認したところで人は何も変わらない。そこで目に映ってしまったものとか、聞こえてしまったものを引き受けるという態度は、そういうことではない。 — location: 1880
こういうことって結局は、割り切れないんです。でも少しずつ、この割り切り方だったらまだみんなが平等に分け合っていると思えるとか、この割り切り方で何年か耐えたらその間に別の方法を試して次のステージに進めるとか、そういうことを決めていくのが究極的には政治なんですよね。だからこそ、そういった割り切れないものをちゃんと持ち帰ってくるのがジャーナリズムの役割です。でも、今のジャーナリズムというのは、それはマスメディアもソーシャルメディアも含めて、割り切るためのものになってしまっている。その割り切ってしまいたい僕たちの心が、分断を生んでいるのではないかと思います。 — location: 1914
しかしその一方で、自分の等身大の生活においては、大きなことはほとんど忘れて、ちょっとした職場の人間関係とか、ちょっとした出費とか、そういうことばかりに気をもやしている。この2つは本来繫がっているはずなのに、特にこの国では、この2つが断絶した状態でものを考える癖がついてしまっている人が本当に多い。 — location: 1965
インターネットやSNSによって個人が発信能力を持ち、相互評価し合うことによって、社会に生まれたダイナミズムはたくさんあると思うし、基本的には僕もそのダイナミズムを使って自分の活動を拡大している人間だけれど、そのような評価経済のゲームに溺れて、問題そのものを置き去りにしてしまったことが多かった 10 年であると思う。僕は、この 10 年であったそれらのことを反省しなきゃいけないと思っています。 — location: 1998
です。ただ、分断が「固定化」してしまうことは良くないと思っていて、例えば場合によっては、人は人、自分は自分だって割り切ることとかは必要であると。そういうねじれの位置で、関わらないことを選択するというのも一つの知恵だと思うわけです。 — location: 2026
つまり「自分たちに仕事がないのはあの移民たちのせいだ!」というふうに、隣人を悪魔化することによって自分のプライドを救済することに使われてしまっている。 — location: 2033
Farah_Gazan — location: 2091
エレツ検問所 — location: 2116
安田純平 — location: 2326